【 ジャングリラ(Junglila) 】

【基本概要】
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:45分


オカズブランドの昨年秋ゲームマーケットの作品。

ダイスを振って出た目の資源を確保しつつ、特殊能力カードを獲得し、すごろくするゲーム。すごろくとはいえ、ゴールしたら勝利ではなく、特典として手番が来るたびに財宝カード=勝利点を獲得できるのが特徴。ですから、すごろくというよりは、カードを獲得して特殊能力を強化してゆくレースゲーム、という方が近いですかね。

ダイスゲームと聞くと手軽にできそうな感じがするけど、どの特殊能力カードを購入しようか考えたり、資源管理をしたり、競争したり、戦略的にも先行逃げ切りで財宝カードを手にするか、じっくりとカードを集めていくかの選択肢もあり、考えることは結構多く、プレイ時間は意外とかかります。

しかし特殊能力である程度コントロールできるとは言え、ダイス運に結構左右される部分も強いので、プレイ時間の割に消化不良感が残る。ダイスを使ってるけど、ダイスの出目で一喜一憂したり、大盛り上がりしたりする感じもないです。このプレイ感は、「王への請願」をモチーフにしたんだろうな、と気づくくらいのもの。

まぁつまり、何が言いたいかというと、悲喜こもごものドラマを見せてくれるダイスロールというメカニズムが、このゲームシステムではあんまり活かされていないように感じました。プレイ時間的にも。ツキに見放されたら離される一方のような気が……? で、結局手軽なの? 手軽じゃないの?と問われると、ちょっと考えてしまう。

正直、つまらなくはないけど、飛び抜けて光るものがあるわけではない佳作かな。同じプレイ時間なら、このゲームほど運に左右されない、もうちょっとしっかり考えどころのあるゲームをプレイすると思います。

タグ: 2人でも  ダイス  中量級 

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どうも、僕です。だいぶ前にアップした記事ですが、改訂して再アップします。まぁ、大した改訂ではないですが、以前よりもボードゲーム経験があがりましたので、それも踏まえての再アップです。

しかしながら、「イスファハン(Yspahan)」は私が最も好きなゲームであることには変わりありません。むしろ、さまざまなボードゲームをプレイし、「たくさんのゲームやメカニズムがあるんだなぁ」とある程度理解した今の方が、より一層、「おもしろい!」と感じます。

世論的には賛否両論のあるタイトルですが、個人的には大好きタイトル。それでは、べた褒めレビューを開始します笑

【 イスファハン (Yspahan) 】
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【基本概要】
プレイ人数:2〜4人
プレイ時間:初回60分(4人プレイ時)。その後も60分くらいで変わらず。
舞台:イランの首都イスファハンにほど近い街
こんな人にオススメ!:イランが好き、エスファハーンが好き、ラクダが好き、市場が好き、キャラバンが好き、ダイスゲームが好き、中量級ゲームが好き。


なお、本文に入る前に再度言っておきますが、自分はこのゲーム、大好きです。神です。ゴッドです。そのため、そもそも欠点など存在しないのだということを踏まえた上で読んでください笑


とりあえずどんなゲームかというと、ダイスを振って、同じ出目のグループのダイスの数だけ商品を市場に置いて、独占した市場の数によって勝利点を稼いでいきます。ときどきラクダが商品を運ぶキャラバンに参加して、皇帝に贈り物をします。そんなゲーム。

特徴的なのは、ダイスを使ったアクション選択。ダイスをじゃらじゃらと振ったら、同じ出目でグループを作ります。そのとき、低い出目のグループから、アクションスペースの並びに沿って順番に置かれていきます。おもしろいのは、もっとも低い出目と、もっとも高い出目のグループのみ、置かれるアクションスペースが最初から限定されているところ。これにより、そもそも選択できないアクションスペースが高い頻度で発生することになります。


【良いところ】
○革新的なダイス選択システム
先に述べた通り、選択できるアクションの決定に特徴があります。選択可能となる頻度の低いアクションスペースは、高価値となっています。ダイスという運の要素の強いアイテムを用いながら、破綻なくアクション価値に違いを持たせているこのシステムは、革新的!! このシステムに触れるためだけでも、ぜひ遊んでほしいと思います。

○ダイスによるランダム性
こうしたストラテジーゲームは運をある程度排除したものも多いですが、この「イスファハン」は、先に述べたとおり、アクション選択の基幹にダイスを据えています。にも関わらず、ダイス目をそのまま用いるのではなく、ダイスグループを用いてのアクション選択を行うことによって、ダイス目に大きく左右されず、かつ適度なままならなさがあって、すばらしいバランスでまとまっています。「ダイスが偏りすぎてなんもできねー!」という「カタン(Catan)」的なところはなく、ダイス目が悪くても何かはでき、そしてその“何か”はゲーム中、必ず“何らか”の意味を持つことになります。

○多彩な戦略・戦術性
ゲームとしては、(1)市場を独占して得点、(2)キャラバンに荷物を送って得点、のどちらかが基本の得点源になります。これに建物やカードの効果をプラスして、付加価値を高めていくワケです。これだけ見ると戦略性がほとんどないように見えますが、なかなかどうして、ダイスグループを選ぶだけのハズなのに、自分に利して相手が損する一手を打ったり、先を見越して一手を打ったりと、得点獲得に至るまでの戦略が幅広いです。ある建物の効果が一方的に強いように見えますが、実は他の建物だって使い方を間違えなければ十分強いという、バランスの良さは見事です。カード戦略という、一見キワモノな戦略を取っても勝負になるところもすごい。

○1プレイ1時間
1ターンを1日として、7日間で1週間。それを3回繰り返して、3週間のプレイ期間。つまり、21ターン(手番)でゲーム終了です。初回だとインストが入りますのでもう少し延びますが、そうでなければ大抵1時間きっかりくらいで収束します。長考する要素もあまり無いので、さくさく進みます。ダイスを振る→ひとりずつダイスグループを選ぶ、を繰り返すゲーム性ですから、ダウンタイムがほとんど無いのも好印象。

○程良い「もう数手あれば!」感
そして、意外と21手番って少ないんです。多いように見えますが。負けると、「あーもう終わりだ! アレをやっておけば……」「あと一手番あれば逆転できたのに!」という悔しさが、逆に勝つと、「今回はうまくいった! 戦略勝ちだ!」という達成感があります。

○すばらしい色彩センス
至る所で叩かれていますが、自分はこの鮮やかな色彩センスはキライじゃありません。というか好きです。アラビックな感じがして、イメージ通りだと思います。砂漠があるからといって、アラブ圏は黄土色一色じゃ無いんです。特にモスクは美しいですよ!
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↑スゲーぜ。この色彩感覚。グレートな仕事をしてくれやがるぜ。


【悪いところ】
×特にない
特にないです。だってこのゲーム、大好きだから。ベストゲーム・オブ・マイコレクションですから。悪いところはありません。まぁ、強いて言えば……、人を選ぶボードカラーかな。あとは、細かいルールが意外と多いとか。ただこの点は、インストがしっかりしていればあまり気にならないレベル。


【総評】
ゴッドですね。傑作というか、神に最も近い作品です。しかしながらこれは自分補正がかかっている表現ですので、遊ぶときにはあまり期待しすぎず、2割引くらいで考えてください。あと、初心者には勘どころがちょっと難しいと思いますから、中級者以上で遊んでください。

やはり、ダイスによる適度な運があるのが良いですね。にも関わらず、しっかりと戦略ゲームしてます。相手との干渉もちょうど良い具合です。ダイス選択のジレンマもそうだし、市場支配の陣取りやキャラバンも、他プレイヤーとうまく絡んできます。建物を建てるのには、ちゃんと先を見越したプレイも必要。でもカードプレイによる一喜一憂もある。

市場とか建物とかキャラバンとか要素がいくつかあっても、昨今のゲームに比べれば割と少ない方。ただそれぞれが複雑に絡み合わないので、ちぐはぐな印象は受けるかも。あと、どぎついボードカラーは欠点……と思う方もいるかもしれませんが、アラブ圏に行ったことがあれば、イメージを十分に再現していると思います。

……うーん、素晴らしい! 運と戦略のバランスが見事です。しかも60分ゲーム。でも満足感たっぷり! 勝てばまたやりたくなるし、負けてもまたやりたくなる(トップとダブルスコアをつけられた時は死ぬかと思いましたが、キャラバン戦略で大勝したときはすんげー興奮した)。この「イスファハン」には、ボードゲームでおもしろいと言われる要素のほとんどが入っていると思います。運と戦略、シンプルさと多彩さ、テーマとイメージ、思考と時間……。

まさにゴッド。何度もプレイした、本当に大好きなゲームです。




追伸。
今はイスラム国など過激派グループのせいで情勢は良くありませんが、アラブ圏やイスラム圏への旅行はオススメです。
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↑トルコはイスタンブールのブルーモスク。10数年前のデジカメ画像だから、荒いのが残念……、トルコはご飯もおいしいから、一度は行ってみてください。ケバブサイコー!

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↑国は違いますが、エジプトのアレキサンドリア図書館。外観のデザインもさることながら、館内デザインもサイコー。超開放的でデカい。



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