【 そっとおやすみ 】

【基本概要】
プレイ人数:3〜7人
プレイ時間:5分

カードをドラフトして、4枚揃ったら誰にも気づかれないようにそっと伏せる。他のプレイヤーは、誰かがカードを伏せたのを確認したら、カードが揃ってなくてもそっと伏せる。で、一番伏せるのが遅かった人がおねむちゃんになるという子ども向けゲーム。

すごろくやで日本語版として再販しましたが、それまでは結構なプレミア価格であったというのは有名な話、らしい。

さて、この「そっとおやすみ」、ルールを聞いた時にはめっちゃ面白そうと思ったけど、実際にやってみるとカードが結構揃いすぎるし(ジョーカーの枚数が多い)、ドラフトする中で誰かが伏せるか伏せないかに気を配るだけなので、意外と単調です。

それは、システムの中にプレイヤーの注意をそらすものが存在しないから。

不慣れな最初こそ「あいつまだ気づいてねークスクス」というのがあるけど、2〜3ゲームやれば、誰かが伏せた瞬間に他のプレイヤーも伏せるスピード勝負に変わってしまって、ゲーム性が作者の意図したものと全く異なるものに変貌してしまうのが気になりました。

このゲームみたいに相手の目をかいくぐって何かするのがゲームの面白さに直結しているシステムだと、「いかさまモス(Mogel Motte)」(いかさまゴキブリ)のように、スキを生じさせるためのアクションの存在がめちゃくちゃ重要なんだなって実感させられました。

そういった意味では、子どもと遊ぶにはまだこのくらいが良いのかもしれないけど、大人同士がワイワイ盛り上がるには、このゲームでは物足りません。散々パクリパクリと言われていますが、「ゾン噛ま PARTY!! ~ゾンビにかまれて~」がめっちゃ優秀。まぁ、「揃ったら伏せる」というメインシステムをして換骨奪胎というかどうかは置いといて、「ゾン噛ま〜」は山札から引いたり、プレイしたり、特殊カードを出したりして、いわゆる視線と注意をそらす工夫が満載。

「気づいたらみんな伏せてた」みたいなことも結構あって、断然「ゾン噛ま〜」のがオススメ!


というわけで、小さい子どもと遊びたいなら「そっとおやすみ」(それでも小学生くらいになると物足りないでしょう)、大きいお友達とワイワイ楽しみたいなら「ゾン噛ま〜」。どちらとも遊ぶ機会があるのなら、どちらもマストバイ。どちらか片方しか機会がないなら、どちらかをマストバイです。

個人的には「ゾン噛ま PARTY!! ~ゾンビにかまれて~」を遊び尽くすつもり!!!


関連レビュー:
いかさまモス(Mogel Motte)(いかさまゴキブリ):今世紀サイコーのパーティゲーム!


↑「ゾン噛ま PARTY!! ~ゾンビにかまれて~」を買うなら拡張も必ず買いましょう。特殊カードが一気に増えて楽しくなります。

タグ: 軽量級  家族で  カードゲーム 

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【 ジャングリラ(Junglila) 】

【基本概要】
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:45分


オカズブランドの昨年秋ゲームマーケットの作品。

ダイスを振って出た目の資源を確保しつつ、特殊能力カードを獲得し、すごろくするゲーム。すごろくとはいえ、ゴールしたら勝利ではなく、特典として手番が来るたびに財宝カード=勝利点を獲得できるのが特徴。ですから、すごろくというよりは、カードを獲得して特殊能力を強化してゆくレースゲーム、という方が近いですかね。

ダイスゲームと聞くと手軽にできそうな感じがするけど、どの特殊能力カードを購入しようか考えたり、資源管理をしたり、競争したり、戦略的にも先行逃げ切りで財宝カードを手にするか、じっくりとカードを集めていくかの選択肢もあり、考えることは結構多く、プレイ時間は意外とかかります。

しかし特殊能力である程度コントロールできるとは言え、ダイス運に結構左右される部分も強いので、プレイ時間の割に消化不良感が残る。ダイスを使ってるけど、ダイスの出目で一喜一憂したり、大盛り上がりしたりする感じもないです。このプレイ感は、「王への請願」をモチーフにしたんだろうな、と気づくくらいのもの。

まぁつまり、何が言いたいかというと、悲喜こもごものドラマを見せてくれるダイスロールというメカニズムが、このゲームシステムではあんまり活かされていないように感じました。プレイ時間的にも。ツキに見放されたら離される一方のような気が……? で、結局手軽なの? 手軽じゃないの?と問われると、ちょっと考えてしまう。

正直、つまらなくはないけど、飛び抜けて光るものがあるわけではない佳作かな。同じプレイ時間なら、このゲームほど運に左右されない、もうちょっとしっかり考えどころのあるゲームをプレイすると思います。

タグ: 2人でも  ダイス  中量級 

【 カヤナック(Kayanak) 】
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【基本概要】
プレイ人数:2〜4人
プレイ時間:20分

ハバ社の体感型ゲームの傑作。氷原に釣り穴をあけて魚を釣ろう!というゲーム。

箱そのものをゲーム盤として使います。ボードが重ね蓋になっていて、箱の中に魚に見立てた鉄球をばら撒きます。そしてA4用紙を氷に見立てて穴の空いた氷原ボードに挟み込みます。すると、氷の下で魚が泳ぐ氷原の完成! この氷原にピッケルで穴を空ける=A4用紙をぶち抜いて、マグネットのついた釣り竿で魚=鉄球を釣り上げるわけです。

テーマや見た目からして、子ども向け! ダイスを使った移動や邪魔のしあいはありますが、深いゲーム性はありませんし、若干の蛇足感が漂うスパイス程度。しかし、絶大なる体感蝕が子どもと大人を魅了すること間違いなし!

穴を開けた時の「ギュポッ」という音と感触が心地よい! さらには魚が引っかかった時の「カチッ」と伝わってくる感触も快感すぎる!!

このふたつの体感がこのゲームの肝。親御さんには、ぜひこの感触とごっこ遊びでお子さんのイマジネーションを育てて頂きたいですね! 何れにしても、一連の行動が繋がっていてストーリー的に非常にわかりやすく、まさに知育玩具的意味合いをもつボードゲームであり、ハバ社の傑作と言えます。

アナログゲームに疎い日本の親御さんには、ぜひ触れて衝撃を受けてもらいたいタイトルです。新版が流通していますので、ぜひ体感してみてください。

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↑ボードの下に見えるのはいわき市内のチラシ笑 雰囲気まで楽しむなら、もったいなくても白いコピー用紙を使いましょう^^;

ちなみに、僕はアレンジで付属の鉄球に加え、パチンコ玉をばらまいてます。パチンコ玉は結構な重量があり、釣り上げた時の満足感は非常に大きいです。その際には、小玉1点、中玉2点、パチンコ玉3点にしてます。得点幅が大きくなってゲームが大味になりそうだけど、そもそも子ども向けなので、感触第一で笑


↑現在流通しているものは新版。旧版は絶版のようです。ですが、旧版の方が箱絵もコマも好みです。

タグ: 家族で  軽量級  2人でも  アクション 

【 ジャンプドライブ(Jump Drive) 】
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【基本概要】
プレイ人数:2〜4人
プレイ時間:15分

巷では「レースフォーザギャラクシー(Race for the Galaxy)」をスピーディに楽しめると言われており、RFtGファンの間では若干話題になっているカードゲーム、「ジャンプドライブ(Jump Drive)」。

自分もRFtGファンのひとりですから、これはやらねばなるまい!と早速購入してプレイ。しかしながら、まぁ、前評判から「ザ・シティ(The City)」リメイクと言われていた通り。RFtGとはまったくの別ゲーム。「ザ・シティ」の感想通り、クソゲーとまではいかなくとも、微妙ゲーでした。「ザ・シティ」をプレイしたことのある方は推して知るべし。

↓「ザ・シティ」のレビュー記事
ザ・シティ(The CITY):〜都市建設は豪快に采配しなけりゃ未来ナシ!

まぁ、「レースフォーザギャラクシー」の雰囲気は味わえるかな。イラストがまんまRFtGだからね。ただ、マニュアルにもコンボでゲームを盛り上げよう的なことが書かれていますが、RFtGであったようなコンボなんて、ぶっちゃけほとんどないです。

コンボって、色々な効果を組み合わせることによって、複合的に様々な戦略を生み出す要素だと思いますし、実際RFtGは結構な枚数のカードと色々な効果がありますし、生産なり出荷なり、王道はあれども、何度も遊ぶことで見えてくる新たな組み合わせが楽しいわけで。

しかし、この「ジャンプドライブ」ではぶっちゃけ収入&得点しかカード効果がありません。あるにはあるけど、深みのある効果や組み合わせはないと言ってしまって誤りないでしょう。そこに戦略性はない。

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そんな「ジャンプドライブ」。手軽に「レースフォーザギャラクシー」の雰囲気を楽しみたい時にはいいかもしれない。でも、そもそも手軽にRFtGを楽しみたい時ってどんなとき?みたいな。だったら最初からRFtGやるわい、と……。少なくとも2人プレイなら、RFtG一択。3〜4人プレイだったとして、もっさり展開が好ましくないなら、まぁ「ジャンプドライブ」かな。ただ僕なら、3〜4人の時は、経験者のみ集めてやるし……、初心者交えて複数人プレイはやらないし……、結局RFtGやるわな笑

手軽なのは間違いないけど、スピーディと良い方に取るか、大雑把で雰囲気だけと取るか。個人的にはやっぱり大雑把ととる。これは「ザ・シティ」の感想と同じです。こんなことなら、「ザ・シティ」を調整して再販してもらった方が良かったなぁ。RFtGファンが、RFtGのスピンオフを期待すると、ちょっとがっかりすると思う。

それはそれとして、副会長曰く、「トム・レーマンはダメだ」とのこと。確かに、彼のゲームはどうにも「う〜ん……」なものが多いですよねェ……。


↑「レースフォーザギャラクシー」の日本語版って再販待ちなんですね。プレミア価格でびっくり。あ、「ロールフォーザギャラクシー」も好きです。


タグ: 軽量級  2人でも  カードゲーム 


どうも、僕です。

またちょこちょこボードゲーム記事をアップしていきますよ! でも6月はプレイする機会はないかな! ということで、今回は推理ゲームである「薔薇の名前(The Name of the Rose)」。既に絶版タイトルですが、良き時代のフェルト作品ですので、見かけたらぜひプレイして見てください。なお、ウンベルト・エーコのミステリ小説が原作ですよ!

【 薔薇の名前 (The Name of the Rose) 】
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【基本概要】
プレイ時間:90分
プレイ人数:3〜5人
テーマ:修道院の殺人事件を解決しちゃう!
こんな人にオススメ!:原作が好き、正体隠匿ゲームが好き、推理ゲームが好き、ミドル級のゲームをプレイしたい、フェルトのファン、修道士が全員怪しい修道院なんてイヤだ


複雑になりすぎる前の、ちょうどいいミドルクラスを出していた頃のフェルトの作品。正直フェルトは、「ドラゴンイヤー(Im Jahr des Drachen)」とか「ートルダム(Notre Dame)」とか、コレとかくらいがちょうど良い。最近のフェルトは要素多すぎてどうしても好きになれない。


どんなゲームかっていうと、自分がどの修道士であるかを隠しながら、自分の担当する以外の修道士の疑惑を上げ、自らの修道士の疑惑を下げるゲーム。最終的に一番疑惑の少なかった修道士を担当するプレイヤーの勝利。方々で言われている通り、「アンダーカバー(Heimlich & Co.)」の複雑版。

ボードには修道院全景が描かれており、中には図書館とか畑とかがありまして、それぞれの修道士にはそうした場所でやらなければならない仕事があります。このやらなければならない仕事のある建物にその修道士がいるのは当たり前なので、疑惑は少なくなり、逆になんの用事もないはずなのにそこにいるってことは「アヤシイ!!」となって、疑惑が上がる仕組み。

これを利用して、修道士の疑惑を上げたり下げたりします。自分がどの修道士を担当しているかもバレてはいけないので(バレるとゲーム終了時にマイナスポイントになる)、適度に姿を隠しながらゲームを進める必要があります。また、毎ラウンドイベントがあったり、推理を披露する暴露イベントがあったりと、飽きさせない工夫も。


【良いところ】
◯自分に疑惑が向かないように策を弄する緊張感
犯人を推理するゲームではなく、自分の担当修道士がバレないように、他人の担当修道士を推理するゲームですから、あからさまな行動を取らないように、しかしながら自分の修道士が得をするようにプレイしなければなりません。これが、自分の修道士に得があるようにプレイすると、バレやしないかとドキドキ緊張します笑

◯修道院内事件のあやしさバッチリ
互いに疑心暗鬼になる雰囲気がゲームにバッチリ落とし込まれており、中世の修道院というあやしげなテーマも合間って、そういうテーマ性が好きな人には断然オススメ! と言っても、そうそう手に入る代物ではないので、特段テーマ性に興味がなければ、入手しやすい「アンダーカバー(Heimlich & Co.)」で良い。面白さの方向性は同じです。


【悪いところ】
×誰が何色かを推理しきれない、というか覚えていられない
よっぽど極端なプレイをしない限り、誰が何色かもしれない、とか、推理の材料になるはずの出来事を覚えていられません。みんながみんな適度な行動をとるので、「あのときこの行動を取ったからアヤシイ!」となりにくく、万が一あったとしても、次ラウンドあたりでは自分の色を隠すのに必死で、誰がどんな行動をとったかなんてすぐに忘れてしまうから、なんとも言えないプレイ感笑

×終盤に至るまで勝ち負けに絡めず中盤が淡白
そんなわけですから、推理の材料になるはずの序盤から中盤に、ぶっちゃけあんまり意味を見出せないようなプレイになってしまいます。よって、終盤に至りようやく勝敗の決するスタートラインに立つという感じ。うーん。プレイ時間がそれなりな割に、判断材料の比重が弱い気がします。なので中盤が若干淡白に感じますね。イベントカードがある程度のスパイスにはなっていますが。

×終盤が泥仕合になりがち
終盤にはとりあえず自分の担当じゃない色の修道士を怪しくする行動をとりがちになり、泥仕合の様相を呈します。
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【総評】
原作好きならマストプレイ。まぁ、「ウンベルト・エーコの薔薇の名前が座右の書です!」なんて人がいたら頭おかしいんちゃうかと思っちゃうので、古き良きフェルト好き、推理ゲーム好きなら楽しめるんじゃないかなって思います。

内容としては雰囲気のある「アンダーカバー」で、逆に言えば、「アンダーカバー」を複雑にしてプレイ時間を伸ばしたゲームって感じ。なので、「アンダーカバー」をイマイチと感じたのなら、敢えてプレイする必要はないと思います。

最後に誰がどの色の修道士かを当てるのですが、正直前半部分が消化試合すぎて、後半部分は他の修道士を陥れるための泥沼試合になってしまい、担当修道士の色を推理するまで行かないのが非常に惜しい。カード運が結構大きいため、どこまでを推理の材料にして良いのかを判断しづらいというのがもあるかも。

そんな理由から、ゲーム終了時の達成感や爽快感はあまりなく、結果として勝利した、という感じが強いのが残念なところ。雰囲気はばっちりあり、決してつまらないわけではなく、おもしろいのはおもしろいです。しかしながら、プレイ内容とプレイ時間がアンバランスかな、と感じました。

絶版商品なので、入手は難しいかもしれませんが、雰囲気ゲームが好きなら、見かけたらプレイしてみてはいかがでしょうか。なお、僕の推理ゲームベストは、ガチ論理なら「P.I.」、カジュアルなら「豚小屋」って感じ(人狼系は省く)。

ちなみに原作は映画化されており、主人公のウィリアム役にはショーン・コネリー。箱絵もそこはかとなくショーン・コネリーです笑

タグ: 中量級  推理  原作